三猿(見ざる・聞かざる・言わざる)とは
三猿が表す基本的な意味
三猿は、「見ざる・聞かざる・言わざる」の三つの教えを表す猿の彫刻です:
- 見ざる(みざる):悪いことを見ない、両手で目を覆う猿
- 聞かざる(きかざる):悪いことを聞かない、両手で耳を塞ぐ猿
- 言わざる(いわざる):悪いことを言わない、両手で口を覆う猿
- 教訓:悪事に関わらず、正しく生きる
三猿は、「悪いことに関わらない」という人生訓を表しています。
なぜ「猿」がモチーフになったのか
- 庚申信仰:中国の道教の庚申信仰で、猿が神の使いとされた
- 語呂合わせ:「見ざる」「聞かざる」「言わざる」の「ざる」が、猿の古語「さる」に掛けられた
- 馬の守護神:日光東照宮の神厩舎(馬小屋)に彫られ、猿は馬を守る動物とされた
猿がモチーフになったのは、庚申信仰と語呂合わせの影響です。
三猿の発祥と歴史的背景
三猿の起源と思想的ルーツ
- 起源:中国の論語「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言」(礼に非ざれば視るなかれ、聴くなかれ、言うなかれ)
- 日本伝来:8世紀頃、仏教・道教とともに日本に伝わった
- 庚申信仰:日本で庚申信仰と結びつき、猿がモチーフになった
- 日光東照宮:江戸時代初期(1636年)、日光東照宮の神厩舎に彫られた
三猿は、中国の論語を起源とし、日本の庚申信仰と結びついて広まりました。
日本文化の中で広まった理由
- 徳川家康:日光東照宮は徳川家康を祀る神社、三猿は家康の教えを象徴
- 江戸時代:庶民の間で庚申信仰が広まり、三猿も普及
- シンプルな教え:「悪いことに関わらない」というシンプルで分かりやすい教え
三猿は、江戸時代に庚申信仰と徳川家康の影響で日本全国に広まりました。
日光東照宮と三猿の関係
三猿が彫られている神厩舎とは
神厩舎(しんきゅうしゃ)は、日光東照宮の神聖な馬を飼う馬小屋です:
- 場所:日光東照宮の境内、表参道の途中
- 特徴:木造建築、壁面に8面の猿の彫刻が施されている
- 三猿:8面の猿の彫刻の2面目に「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿が彫られている
- 意味:猿は馬を守る動物とされ、神厩舎に彫られた
三猿は、神厩舎の2面目に彫られています。
左甚五郎作と伝えられる彫刻の特徴
- 左甚五郎:江戸時代初期の伝説的な彫刻家(実在は不明)
- 伝承:日光東照宮の多くの彫刻が左甚五郎作と伝えられる
- 特徴:細かい彫刻、リアルな表現、生き生きとした猿の姿
三猿の彫刻は、左甚五郎作と伝えられる精巧な作品です。
三猿に込められた教訓と解釈
幼少期への教えとしての三猿
- 子どもへの教え:「悪いことを見たり、聞いたり、言ったりしない」
- 純粋さを守る:幼少期の純粋さを守るための教え
- 成長の準備:悪いことに関わらず、正しく成長する
大人にも通じる人生訓としての意味
- 悪事に関わらない:他人の悪口や噂に関わらない
- 心の平穏:悪いことを見ない・聞かない・言わないことで、心の平穏を保つ
- 正しく生きる:誠実に、正しく生きるための教え
三猿は、子どもだけでなく、大人にも通じる人生訓です。
三猿は三匹だけではない?
八面猿として見る人生の物語
成長段階ごとに描かれた猿の表現
神厩舎には、8面の猿の彫刻があります:
- 1面:母猿と子猿、母が子の未来を見つめる
- 2面:「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿(幼少期の教え)
- 3面:一人で座る子猿(独立の準備)
- 4面:雲の上を見上げる猿(志を高く持つ)
- 5面:崖から飛び降りる猿(挑戦)
- 6面:猿の恋愛(人生のパートナー)
- 7面:夫婦の猿(結婚)
- 8面:妊娠した母猿(次世代へ)
8面の猿の彫刻は、人生の各段階を表現しています。
日光東照宮で三猿を楽しむ見学ポイント
彫刻を正しく見る順番と注目点
- 順番:神厩舎の向かって左から1面目→8面目の順に見る
- 注目点:2面目の三猿、各面の猿の表情・ポーズ
- 解説板:神厩舎前に解説板があり、各面の意味を確認できる
写真撮影と混雑を避けるコツ
- 混雑時間:10:00–15:00、特に週末・祝日は混雑
- 空いている時間:開門直後(8:00–9:00)、夕方(16:00–閉門)
- 写真撮影:三猿の2面目は人気スポット、早朝がおすすめ
- ベストシーズン:春(4–5月)、秋(10–11月)
早朝または夕方が、空いていて写真撮影にも最適です。
三猿とあわせて見たい東照宮の見どころ
眠り猫とその意味
- 場所:奥社への坂の入口
- 特徴:左甚五郎作と伝えられる、眠る猫の彫刻
- 意味:平和の象徴、眠っているように見えるが、実はいつでも飛びかかれる警戒姿勢
陽明門が持つ象徴性
- 特徴:日光東照宮の最も豪華な門、「日暮門」とも呼ばれる
- 彫刻:約500体以上の彫刻が施されている
- 象徴:徳川家康の権力と文化を象徴
三猿、眠り猫、陽明門は、日光東照宮の三大見どころです。
三猿が現代に伝えるメッセージ
現代社会における三猿の考え方
- 情報過多の時代:悪い情報・ゴシップに惑わされない
- SNS時代:他人の悪口を言わない、見ない、聞かない
- 心の平穏:余計な情報から距離を置き、心の平穏を保つ
海外でも知られる三猿の広がり
- 英語表記:Three wise monkeys(三匹の賢い猿)
- 国際的認知:「See no evil, Hear no evil, Speak no evil」として世界中で知られる
- シンボル:日本文化のシンボルとして、海外でも人気
三猿は、現代社会でも、そして世界中でも通じる普遍的な教えです。
まとめ|三猿の教えを理解して日光東照宮を訪れよう
三猿まとめ:
- ✅ 意味:見ざる・聞かざる・言わざる(悪いことに関わらない)
- ✅ 場所:日光東照宮の神厩舎、2面目に彫られている
- ✅ 歴史:中国の論語が起源、日本の庚申信仰と結びつく
- ✅ 八面猿:神厩舎には8面の猿の彫刻があり、人生の各段階を表現
- ✅ 見学ポイント:早朝または夕方が空いている
- ✅ あわせて見たい:眠り猫、陽明門
三猿は、「悪いことに関わらない」という普遍的な教えを表しています。日光東照宮で、三猿の教えを体感し、人生訓を学んでください!

